安売り集客から、感動集客にシフトする1つの方法
店舗で行っている、半額キャンペーンやワンコインなどの値引き戦略は、体力(資金力)のある大企業なら効果的に新規集客を図れますが、中小規模の個人店がやるにはあまりにもリスクが高すぎる戦略です。
そもそも値引きとは何のために行うのでしょうか。
- 1.新規のお客様を集めるため(駅前での割引券配りや、クーポンサイト、フリーペーパーなど)
- 2.リピート促進のため(スタンプカード、次回に使える金券など)
どちらも集客するためには必要なことですが、値引き合戦に巻き込まれてしまう戦略です。自ら大手チェーン店と同じ戦場で戦うハメになります。そうなれば当然スケールメリットで利がある大手が有利になるのは当然です。
では、中小規模の個店さんがそこに立ち向かうにはどうすればいいのか…
ここで大事なことは、集客ということは新規のお客さんを集める事だけではありません。リピートのお客さんを集めることも集客なのです。むしろリピートのお客さんを集められないお店が、新規集客をしても、ザルに水を貯めているのと同じ事なのです。
LTVということばをご存知でしょうか?L(ライフ)T(タイム)V(ヴァリュー)の略で、障害顧客価値とう意味です。
客単価5000円の美容室で3ヶ月に1回通うお客さんが2年はリピートしてくれるとすると、
5000円 ✕ 4回/1年 ✕ 2年 = 40000円
なんとお客様1人に4万円の価値があるのです。
いままでお客様1人にたいしてどのように考えていたでしょうか?集客コストを5000円でトントンと考えている人が非常に多いです。もちろん、常に新規の一見さんを回し続けることも戦略の一つではありますが、体力のない中小規模の個店さんがその土壌で戦うのはあまりにもリスキーです。
だからこそ考えなければいけないのがLTVなのです。
集客を考えるには、まずリピートから。すべてはリピートから始まります。そこを踏まえた上で、さきほどの集客の方法について考えてみます。
1.新規のお客様を集めるため
(駅前での割引券配りや、クーポンサイト、フリーペーパーなど)
いずれは絶対に必要になるのですが、それは今ですか?今ご来店していただいているお客様が、必ずリピートしてもらえるほどのサービスを提供できていますか?
たとえ1日1人しかお客様が来ないお店でも、リピート率が100%であれば、1ヶ月後には30人のお客様が来ます。それが1日2人なら、3人なら…?暴論ではありますが、これが事実なのです。
中小規模の個店さんで毎日繁盛しているお店というのは、例外なくリピート率が高いです。逆にどれだけ広告に予算をさいていても、リピート率の引くいお店はほぼ潰れます。
2.リピート促進のため
(スタンプカード、次回に使える金券など)
リピート促進のための戦略として、多くの店舗さんが取り入れている手法です。しかしこれも効率的ではありません。お店側としてはリピートしてくれたら割引というのがリスクもなくいいのでしょうが、お客さんは今喜べないのです。次回来店したら喜べるのかもしれませんが、今喜んでいない人が次回また来てくれるでしょうか?
お客さんがまた来たいと思ってくれているということは、大なり小なりそこには必ず「感動」があります。感動というのは予測できないことから生まれるのです。
次回に使える金券やスタンプカードでは、感動を生むことができません。
それではどうするべきなのか。
値引き集客をする必要はない
大きな値引きやサービスをする必要なんて無いのです。お客さんが予想もしていないサービス(価値)を提供すれば、それは感動に繋がるからです。
- 「今日は雨降って寒い中来てくれてありがとうございます。ホントは次回にしか使えない金券なんだけど今日は特別サービスしちゃいますね!」
- 「今度からウチで扱うシャンプーなんだけど、髪の傷み気にしてたから今日は特別にプレゼントしちゃいますね!良かったら感想とか聞かせてください」
- 「せっかく頼んでくれたお刺身が品切れですいません。お詫びじゃないですが、これサービスしますのでどうぞ。最近できた新メニューなんで食べてみてください」
次回値引くことや原価のことを考えれば、これくらいのサービスではそんなに痛手なんてありません。しかもその場でちょっとした感動をお客さんに感じてもらえることで、値引かれることがわかっている金券やスタンプカードよりもお客さんの印象に残ることができるのです。
更に値引きをしてもらった印象よりも、サービスをくれた人に対しての印象の方が強く残るので、あの人のいるお店に行こう!という気持ちにさせることができちゃいます。
クーポンやキャンペーンで毎月の値引きするくらいであれば、それと同じ料金分のサービス(オマケ)をした方がリピート集客の面も考えるとよっぽどいいと思いませんか。キャンペーン集客に慣れてしまっている場合、お客様がまったく来なくなると不安になるかもしれませんが、そんなことはありませんので、思い切って値引き集客ではなく、少しずつ感動集客にシフトしていってはどうでしょうか。